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【不動産賃貸仲介】伸び悩む新人や若手社員への効果的なフィードバックは?マネジメントのコツを紹介!

上司によって新人教育にムラが生じている」や「最初の指導は整っているものの若手社員の継続的な育成ができていない」などの状態に陥っていませんか?

不動産業界は電話での追客や対面での接客が多いので、業務のナレッジが溜まりにくく、若手の教育に生かしにくいという課題があります。育成がうまくいかない状態が続くと、若手が成果を出せなかったり、社員の退職に繋がったり、人件費の回収のための高い営業目標を未達してしまったりします。

そんな重要な育成を成功させるために、若手の頑張りに頼ってしまうとハラスメントに繋がってしまうおそれがあります。今回の記事では、マネジメント層に焦点をあてて、「どんなフィードバックをおこなえばいいのか」「どうマネジメントすればいいのか」を解説します。

正しい目標が設定できていれば育成がラクになる!

まずは社員の現状を分析し、適切な目標を設定しましょう。目標設定が正しければ、社員自身で成長のイメージを描きやすくなります。仮に未達だったとしたら、未達の項目がフィードバックを求めている項目だと分かります。

できるだけ細かく社員を分析して成長戦略を描く

まずは社員の現状を知るために、分析項目はできるだけ細かくしましょう。初回対応のスピード・平均追客数、来店率、成約率、平均単価などを分析できるといいです。例えば、初回対応のスピードが早い社員ほど来店率が高いかもしれません。初回対応は早いものの、一顧客あたりの平均追客数は少ないかもしれません。数値を分析すると、限られた業務時間の中で各社員がどこに力を入れているのかが見えてきます。

そして、分析によって強みや弱みが分かったら、各社員の成長戦略を描きましょう。弱みをすぐに改善することは難しいので、どの強みを伸ばせば社員の成果が最大化されるかを考えられると良いでしょう。

全社員の数値を常に追うためには一日中分析しなければならないということになりかねません。そこで、可能であれば分析したレポートがすぐ出せるような環境を用意できると良いでしょう。ノマドクラウドを使った分析方法についての記事が文末にありますので、より詳しく知りたい方はご覧ください。

分析した結果をもとに目標を設定する

次に、分析した結果をもとに目標を設定しましょう。期の目標が社員に振り分けられて大体の数値目標が決められますが、そこから適切な目標を設定するためには社員の成長戦略が不可欠です。目標数値を伝える際には、社員の分析結果と成長戦略もともに伝えることで、社員自身にとって納得感が増して業務に励みやすくなります。

育成の基本は、やり方を見せてマネしてもらう

育成の基本的な考え方は、できている人のやり方を見せて、それをマネしてもらうことです。ですが、常につきっきりで指導していては、時間がいくらあっても足りません。そのためここからは、効率をあげるコツをご紹介します。

やり方を見せる時は、理由も一緒に伝える

ポータルサイトへの出稿などの集客業務においては、業務のやり方を教えるだけでいい場合もあります。しかし、多くの業務においては「なぜそのやり方をしているのか」まで一緒に伝えられると、若手社員の吸収が早まるでしょう。

例えば、人との会話が発生する追客業務や接客業務においては、「場の和ませ方」や「相手に考えさせる間の作り方」「会話のテンポ感」など、文章で伝えるのが難しい場合があります。そんな時は直接やり方を見せて、後から理由とともに説明できるといいです。

記録を残して、誰でも見られるようにする

責任者自身が案内にでたり契約業務をおこなったりする不動産会社は多く、「時間がなくてやり方を見せられない」「若手を見てあげられない」といったケースが多々発生しています。そのため、責任者が自身の業務の記録を細かく残すことで、責任者不在でも若手自身で記録を参照できる環境をつくりましょう。

一つひとつを記録するのは手間なので、オススメは顧客との連絡が自動で記録される顧客管理ツールを導入することです。ノマドクラウドを活用すると、メールやSMSのやり取りが自動で記録されます。電話での会話内容や対面での接客内容は残らないので、やり取りの中にメモを残します。

顧客管理ツールを導入していない場合は、メーリングリストを活用してメールの内容を自動で共有するだけでも効果があります。メールの文面を真似したり、追客頻度やメッセージの内容を参考にすることができます。

このように、先輩の記録を参照し、若手が勝手にマネをして成長していく状態が理想だと考えていいでしょう。逆をいえば、若手の記録を好きな時に確認できるということでもあるので、マネジメントも楽になります。

実践した結果に対してフィードバックをする

やり方を見せても、若手社員が間違った解釈をしていたり、うまくできていなかったりします。そのため、マネをしようと試みた実践内容とその結果に対してフィードバックをしましょう。実践とフィードバックを繰り返しおこなうことで、社員をより高いレベルに育成することができます。

ここからは、フィードバックをする際のポイントについて解説します。

業務ごとに細分化して、基本的な考え方を伝える

仲介業務は多岐に渡るため、それぞれの業務を細分化してフィードバックをすることで、若手も考えやすくなります。集客業務、追客業務、接客業務などがありますが、例えば追客業務であれば「初回の連絡内容」「希望条件のヒアリング方法」「提案する物件」のように細分化をおこないましょう。

次に、細分化した業務における基本的な考え方を、体系的に伝えます。例えば「希望条件のヒアリング方法」であれば、以下のようになります。

  • やみくもに聞くのではなく、まず「引っ越し理由」や「引っ越したい時期」を確認すると、揺るがない希望条件を探ることができる
  • 例:「隣の人がうるさいから引っ越したい」のであれば、遮音性の高いSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造や角部屋の物件に絞って話を進める
  • 例:「収入的に3ヶ月後に引っ越したい」のであれば、3ヶ月後に退去予定や新築予定がある物件に絞って話を進める

業務を場合分けして、様々な正解パターンを伝える

基本的な考え方を伝えたら、次に場合分けをして様々な正解パターンを説明しましょう。正解パターンを伝えることは、若手にとっての再現性が高まるだけでなく、若手自身が正解を探すような思考法を身につけることができます。

例えば接客業務であれば、属性(仕事内容)、入居人数、性別や年齢などの様々な要素で場合分けすることができ、以下のように正解パターンを説明することできます。

  • 単身女性の顧客の場合は、治安や駅からのルートを特に気にする。3階以上の物件も好まれるので、そこを重視しているか確認をしておくと、スムーズに物件を提案できる

おわりに

電話でのコミュニケーションや対面での接客が多い不動産では、ナレッジが溜まりにくく、育成に難航する会社も少なくないです。そんな時は、意識的に記録を残すことによって「若手社員が勝手にやり方を確認できる」ような環境を作ってみましょう。

若手社員が実践した結果に対してフィードバックをするだけで良くなるので、工数の削減に繋がります。若手社員も記録するようになれば、マネージャーにとっても好きな時に確認できるので、マネジメントもより楽になるでしょう。

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