テックニュース

電気切り替え業務がゼロに! 『PinT with 賃貸』と『ITANDI BB』の連携メリットを解説

電気メーターがアナログであったときは、入居者の退去後に電気の切り替えを行なわなくても、電気が利用できる状態が続いていました。しかし現在はスマートメーターが普及し、常時電力会社とメーターが繋がっているので、退去時はきちんと電気契約を入居者から不動産会社へと切り替えなくてはなりません。

切り替えのための電話はやや手間であるだけでなく、待ち時間も長いので管理会社にとっては少々やっかいな存在です。本稿ではその問題を解決する画期的なサービス『PinT with 賃貸』について紹介し、さらにITANDI BBと連携するメリットについてもご説明します!

スマートメーターの普及により生まれた課題

本題に入る前に、改めてスマートメーターとは何かご説明します。スマートメーターとは、電力使用量をデジタルで計測する電力メーターのことです。従来のアナログ式のメーターは異なり、測定した電気使用量を遠隔地に送ることができるという特徴があります。

データーを遠隔地に送れるため、検針員による一戸一戸の電力メーターチェックの作業が必要なくなるという大きなメリットがあります。

経済産業省によると、東京電力管内では2020年度末まで、全国では2024年度末までに導入が完了予定です。2019年3月末時点でも、全国で63.7%の導入が完了しており、2020年7月現在では、ほとんどの家庭での設置がされていると考えられます。

しかし不動産会社にとっては、電気切り替えのための電話に手間と時間がかかるという課題が生じてきました。電気事業者への電話が常に通話中でなかなか繋がらず、繁忙期では1つの切り替えに15分から30分程度の時間を要することもあります。これを一件一件行なっていくことは大きな負担となっていました。

『PinT with 賃貸』+『ITANDI BB』のソリューション

その悩みを解決しようとしたのが、東京電力グループである株式会社PinTの『PinT with 賃貸』です。『PinT with 賃貸』でできることは、

  • 顧客情報・供給地点の管理
  • 電気契約の新規申込・変更・解約手続き
  • 毎月の請求情報の取得
  • 顧客へのマイページ提供までを一元的にWeb管理

と、本件にかかる面倒ごとを包括的に解決してくれます。また、PinT社にて電源調達や電力会社への申込・変更手続きなどを実施するため、電力事業展開や自社物件の管理を効率的に実施いただくことができます。

さらに、この『PinT with 賃貸』と『ITANDI BB』が連携することによって、不動産会社の電気切り替え業務はゼロになります!

仕組みとしては、まずITANDI BBのオプション機能である「内見予約くん」「申込受付くん」にはそれぞれ、内見開始日と入居日のデータが存在しています。そのデータを元に、内見開始日にPinT電気と自動で契約し、内見時の電気の供給を開始します。そして、入居日に契約を自動で終了するというわけです。

ほかにも大きなメリットが2点あります。

①支払い処理のコストを大幅に削減

全物件分をまとめた請求書が発行されるため、支払処理のコストを大幅に削減することが可能です。今までは、仮に賃貸管理会社が、100物件分の空室時の電力契約が必要な場合、電力会社へ契約のため100物件分電話をし、紙の請求書を100物件分処理することが必要なケースがありました。この業務負荷を本サービスにより自動化することで、賃貸管理会社の業務効率化・生産性の向上を実現することができます。

②入居者側もらくらく電気契約

PinT電気の利用を希望する入居者様には、賃貸借契約の際に、「ITANDI BB」から申込に必要な個人情報が連携された状態で電気をお申込みできます。ただでさえ大変な引っ越し作業の中で、ToDoが一つでも減るのは嬉しいメリットではないでしょうか。

かゆいところに手が届くワンストップサービスへ

ITANDI BBは、物件確認から入居申込・契約、そして更新や退去管理までワンストップで業務が可能なサービスを提供してまいりました。

電気の管理は直接的な不動産管理業務には含まれませんが、業務負担としては無視できない部分だと判断し、不動産会社様がより本業に注力できるようサポートさせていただくに至りました。

今後も「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」という言葉のもと、賃貸業務を支援する機能を追求して参ります。

参考文献:2019年8月29日資源エネルギー庁『電力データの活用について』